発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011288488
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85歳男性。Pancoast型肺癌に対し化学療法と60 Gy放射線の同時化学放射線療法が施行された。効果判定は安定で、腫瘍中心部の壊死拡大およびFDG-PETでSUV max6.2から2.2と低下が認められ、呼吸機能検査でも耐術能がみられた。そのため手術を施行したところ、肺尖部の第1・第2肋骨後胸壁に浸潤を疑う腫瘍がみられた。このことから肺門部の処理を先行し、肺静脈、肺動脈、気管支の順に切断後、続いて第3肋骨、第2肋骨、第1肋骨の順に切断した。また、肺尖部と椎体との癒着を鋭的に切離し、上葉を胸壁と共に切除した。その結果、経過は良好で、第18病日目に退院となったが、再び左肺尖部にスリガラス状の陰影が出現し、二次癌を認め、定位照射を行った結果、目下は92歳で、両側いずれも無再発、生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2011