発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008208431
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59歳女。5年前に近医による気管支嚢胞の診断で経過観察されていたが、精査加療目的に当院紹介受診となった。X線で右下肺野に約5cm大の多結節腫瘤陰影を認め、CTで右下葉底区域に多房性腫瘤を認め、横隔膜直上食道右背側にも約2cm大の境界明瞭な腫瘤を認めた。以上より、気管支嚢胞+食道嚢胞として、胸腔鏡補助下(VATS)による右下葉切除術+腫瘍摘出術を施行した。気管支嚢胞は隔壁を有し内容は混濁した緑色の粘稠な液体で、病理所見において肺内と縦隔腫瘍ともにlining cellは多列円柱線毛上皮を有しており、重複気管支嚢胞と診断した。経過は良好で術後17日に退院し、術後6ヵ月現在新たな病変は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008