症例
前胸部皮下に発生した気管支原性囊胞の1例
渡邊 日向子
1
,
今治 玲助
,
尾山 貴徳
,
向井 亘
1広島市立広島市民病院 小児外科
キーワード:
気管支原性嚢胞
,
MRI
,
超音波診断
,
ブドウ球菌感染症
,
皮下組織
,
胸部CT
Keyword:
Bronchogenic Cyst
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Ultrasonography
,
Staphylococcal Infections
,
Subcutaneous Tissue
pp.109-113
発行日 2021年1月25日
Published Date 2021/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2021157633
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日齢15男児、前胸部皮下正中部の腫瘤を主訴とした。紹介受診時には胸骨切痕部に弾性軟で可動性を有する約2cm大の腫瘤があり、胸部造影CT検査では胸骨切痕部頭側の皮下に内部に造影効果を伴わない嚢胞性病変と腫瘤から背側に向かう瘻孔を認めた。画像検査より先天性嚢胞として経過を観察したが、生後7ヵ月時に嚢胞感染を発症したため、抗菌薬投与と切開排膿を行い、感染症状の軽快を待って生後10ヵ月時に腫瘤摘出術を行った。病変は3.2cmの単房性腫瘤で、嚢胞底面から右鎖骨胸骨端に向かう瘻孔を認め、病理学的所見では多列線毛円柱上皮や平滑筋線維、気管支腺や硝子軟骨組織を確認し、気管支原性嚢胞と診断した。
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