手術の工夫
Valsalva洞部慢性大動脈解離に再解離を発症し心肺停止をきたした若年女性に対する自己弁温存手術
松本 三明
1
,
久保 陽司
,
劔持 礼子
,
山澤 隆彦
,
岡 岳文
,
岩崎 淳
,
森本 直樹
,
萩岡 信吾
,
杉山 淳一
,
萩谷 英大
1津山中央病院
キーワード:
Valsalva洞
,
再発
,
心停止
,
大動脈瘤
,
X線CT
,
動脈瘤-解離性
,
三次元イメージング
,
大動脈置換術
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Aneurysm, Dissecting
,
Heart Arrest
,
Sinus of Valsalva
,
Recurrence
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Imaging, Three-Dimensional
pp.799-802
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013350508
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
38歳女。胸痛で受診した。妊娠4ヵ月であり、胸部X線検査のみ行った。胸痛は1ヵ月間続き、鎮痛薬でコントロールした。妊娠は継続し出産した。突然心肺停止となり、心肺蘇生を開始した。救急隊到着後、2回の除細動で心室細動(20分間)から心拍再開し、搬送された。入院時心電図所見では、左室肥大とV3~V6のST低下を認めた。3D-CT所見では、上行大動脈解離と右Valsalva洞部に動脈瘤を認めた。挙児の希望があり、Bentall手術となった場合は生体弁使用を念頭に、緊急手術を行った。2年前の胸痛の原因が大動脈解離であった可能性が示唆された。慢性解離性大動脈瘤によるsino-tubular junction拡大が大動脈弁逆流の原因であり、自己弁温存手術の方針とした。術後37日目に退院し、術後2ヵ月目に高次機能も問題なく職場復帰をはたした。
©Nankodo Co., Ltd., 2013