発行日 2002年1月1日
Published Date 2002/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2002125995
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72歳男.著明な高血圧と低K血症性の筋力低下を主訴とした.腹部CTで左腎の萎縮と腹部大動脈での剥離内膜を確認した.左腎動脈起始部周囲での大動脈解離による左腎血流障害と考え,解離部位を同定するために経食道エコーを実施した.上行大動脈には解離を認めなかったが,下行大動脈に偽腔の形成を認め,最大径は4cmであった.さらに,門歯列から27cmでは,モザイクエコーを認め,解離腔の開存を確認し,偽腔内に血流を認めた.Stanford B型の解離性大動脈瘤による左腎動脈狭窄と診断し,内科的に降圧療法を行った.spironolactone,ニフェジピン徐放剤舌下,アンジオテンシンII受容体拮抗薬を併用したところ,収縮期血圧が低下し,一時血清クレアチニン値が上昇したが,その後減量するとともにβ遮断薬を併用し,ほぼ良好な血圧コントロールが得られた
©Nankodo Co., Ltd., 2002