発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013186586
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68歳男性。血痰を主訴とした。胸部CTで左S3に胸膜陥入を伴う不整形陰影ほか、気管支鏡検査にて肺腺癌を認め、胸腔鏡補助下に左上葉切除およびリンパ節郭清が行われた。最終病理診断はIIA期の混合型腺癌で、術後は第3病日目にドレーンを抜去し順調に経過していたが、第5病日目より腎梗塞と急性下肢動脈閉塞を合併した。以後、下肢動脈閉塞に対し緊急血栓除去術を行い、あわせて術後は腎梗塞に対する保存的治療を兼ねheparinとwarfarinによる抗凝固療法を開始した。その結果、除去術後は血栓や塞栓症の再発を認めず、患者は肺癌術後第20病日目に軽快退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013