発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007262347
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73歳男性。心房細動に伴う血栓塞栓が原因と思われる、急性心筋梗塞、急性下肢動脈閉塞症を相次いで発症した症例を経験した。ゴルフ中の胸部不快感で近医に急性心筋梗塞を疑われ救急搬送された。心電図で心房細動とST異常を認め、X線上心胸郭比63.6%、心臓超音波で左室後下壁の壁運動低下と軽度の僧帽弁逆流、左房の拡大を認めた。急性心筋梗塞と診断し、冠動脈造影で右冠動脈末梢に蟹爪状の完全閉塞を認め、吸引で血栓を回収し良好な再灌流を得た。第13病日突然右下肢の痺れ、冷感、チアノーゼが出現し、dynamic CTで両側総腸骨動脈に血栓塞栓を認め、heparin持続静注とurokinaseによる血栓溶解療法、warfarin内服で血行は改善した。第18病日再度左下肢痛、チアノーゼ、冷感が出現し、下肢動脈造影で左浅大腿動脈の完全閉塞を認め、外科的血栓除去術を行った。経食道エコー(TEE)で左房内にもやもやエコー像と左心耳内に径16mmの血栓を認め、warfarin投与で経過観察とした。
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