胸部外科の指針
肺癌手術例における低用量未分画heparinの術後肺塞栓症予防効果と安全性の長期成績
村岡 昌司
1
,
持永 浩史
,
扇玉 秀順
,
劉 中誠
,
生田 安司
,
田渕 聡
,
佐藤 綾子
,
稲益 英子
,
飛永 修一
,
小松 英明
,
山口 広之
,
君野 孝二
1健康保険諫早総合病院
キーワード:
Heparin
,
喀痰
,
血胸
,
血栓塞栓症
,
再手術
,
術後合併症
,
皮下出血
,
皮下注射
,
肺炎
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
肺塞栓症
,
失血-外科
,
治療成績
,
血痰
,
肺瘻
Keyword:
Ecchymosis
,
Hemothorax
,
Heparin
,
Injections, Subcutaneous
,
Lung Neoplasms
,
Postoperative Complications
,
Pulmonary Embolism
,
Pneumonectomy
,
Pneumonia
,
Sputum
,
Reoperation
,
Thromboembolism
,
Blood Loss, Surgical
,
Treatment Outcome
pp.93-100
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013186577
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原発性肺癌手術例206例を対象に低用量未分画heparin(LDUH)投与を行い、術後の肺血栓塞栓症(PTE)予防効果と安全性の長期成績を評価した。その結果、1)LDUH投与量は1日5000単位が36例、10000単位が170例で、投与期間は平均4.6日、術後のドレーン留置期間は平均5.4日であった。尚、この期間における症候性PTEやDVTの発症ほか、心筋梗塞などの経験はなかった。2)術後合併症についてLDUHの中止・減量規定を導入する前(前期2004~2007年)と後(後期2008~2011年)で検討したところ、前期4年では腹腔内出血2例、皮下血腫3例を経験したが、後期では皮下血腫と血痰の遷延が各1例と、出血関連の合併症が減少していた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013