発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2004219801
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72歳女.53歳時に心房中隔欠損症,68歳時に肺炎,心不全となった.感冒を契機に労作性呼吸困難,浮腫,食思不振が出現した.収縮期雑音,湿性ラ音を聴取し,肝を右季肋下2横指触知,下腿浮腫を認めたがチアノーゼやばち指は認めなかった.胸部単純X線検査で心拡大と右主肺動脈・左第二弓の拡大,肺血管陰影の増強を認めた.心電図では洞調律から心房細動へ移行し,不完全右脚ブロックを認めた.心臓超音波検査では心房中隔二次孔欠損を認め,心室中隔は奇異性運動を呈し,高度三尖弁閉鎖不全,右心系拡大を認めた.呼吸機能検査では拘束性障害を呈した.鬱血性心不全はamirinone,furosemide静脈内投与と酸素吸入で改善した.心臓カテーテル検査を施行し,右房での酸素飽和度のステップアップを認め,左右短絡率72%,肺体血流脾.5,肺体血圧比0.26,肺体血管抵抗比0.09,三尖弁逆流はSellers III度,冠動脈造影は正常であった
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