発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005223322
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73歳女.患者は経胸壁心エコーで左房後壁から僧帽弁輪に付着する最大径25mmの有茎性腫瘍を認め,拡張期には僧帽弁を越えて左室内に腫瘍が陥入していた.腫瘍は二つに分葉し,一部嚢胞を形成していた.左房内腫瘍が原因の左室流入障害に基づく心不全と診断し,腫瘍切除術,僧帽弁置換術を施行した.術前は粘液腫と考えていたが,心房中隔以外の部位から腫瘍が発生しており,広基性に付着していること等,悪性を示唆していた.病理組織所見で未分化肉腫と診断し,術後,全身検索を行ったが腫瘍は認められず,心臓原発肉腫と診断した.化学療法や放射線治療等を行っていないが,術後16ヵ月の現在,局所再発や転移の徴候もなく外来通院中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005