発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010107239
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2003年1月~2005年12月にStanford A型急性大動脈解離(以下、A型解離)と診断した連続58例(平均年齢65.3歳)を対象とし、その状況と内科管理の予後を検討した。33例は大動脈置換手術を、25例は内科管理を受けたが、手術例の死亡率は3%、内科管理例では52%と予後不良であり、特に偽腔開存型症例の多くが大動脈病変の進行により不幸な転帰となった。一旦は手術適応外と判断し、内科管理とした偽腔開存型症例についても手術の可能性を考慮して全身状態を適宜再評価する必要があると考えられた。一方、Japan Coma Scale-300の脳神経障害を伴わない偽腔閉塞型症例は比較的予後良好であり、外科的バックアップと厳重な経過観察のもとに内科管理方針が許容されると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010