重症心不全に対する外科治療
左室形成術の適応と限界
若狭 哲
1
,
新宮 康栄
,
久保田 卓
,
南田 大朗
,
飯島 誠
,
内藤 祐嗣
,
大岡 智学
,
橘 剛
,
松居 喜郎
1北海道大学 循環器・呼吸器外科
キーワード:
一回拍出量
,
心筋症-拡張型
,
心臓容積
,
心不全
,
僧帽弁閉鎖不全症
,
重症度指標
,
心筋虚血
,
治療成績
,
Kaplan-Meier法
,
心室形成術
Keyword:
Cardiac Volume
,
Cardiomyopathy, Dilated
,
Heart Failure
,
Mitral Valve Insufficiency
,
Severity of Illness Index
,
Stroke Volume
,
Treatment Outcome
,
Myocardial Ischemia
,
Kaplan-Meier Estimate
pp.26-30
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013077116
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左室形成術(SVR)を行った左室駆出率(LVEF)≦35%の拡張型心筋症107例を、原疾患別に虚血性拡張型心筋症(ICM)57例(男性52例、女性5例、平均61歳)と非虚血性拡張型心筋症(DCM)50例(男性43例、女性7例、平均58歳)に分け、中期成績について検討した。ICM群/DCM群の術前New York Heart Association(NYHA)分類III・IV度の症例は49例(86%)/46例(92%)で、術前IV度以上の僧帽弁閉鎖不全症は21例(37%)/34例(68%)であった。両群とも術後に有意な左室縮小とLVEFの改善、左室収縮末期容積係数の30%以上の収縮を認め、MRは殆どがI度以下、NYHA分類がII度以下となったが、III度以上の心不全残存を5例/3例に認めた。術後30日死亡は2例(4%)/6例(12%)、在院死亡は8例(14%)/14例(28%)、遠隔死亡は11例/17例、術後平均追跡期間は35ヵ月/28ヵ月であった。1年、3年、5年生存率は82%、71%、60%/54%、40%、37%で、遠隔生存例の94%/95%がNYHA分類II度以下に保たれていた。
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