重症心不全に対する外科治療
機能性僧帽弁閉鎖不全症に対する左室形成術の適応と限界
船本 成輝
1
,
南方 謙二
,
山崎 和裕
,
川東 正英
,
瀬戸崎 修司
,
武田 崇秀
,
恒吉 裕史
,
丸井 晃
,
坂田 隆造
1京都大学 心臓血管外科
キーワード:
一回拍出量
,
心筋症-拡張型
,
心臓容積
,
僧帽弁閉鎖不全症
,
心筋虚血
,
治療成績
,
僧帽弁形成術
,
心室形成術
Keyword:
Cardiac Volume
,
Cardiomyopathy, Dilated
,
Mitral Valve Insufficiency
,
Stroke Volume
,
Treatment Outcome
,
Myocardial Ischemia
,
Mitral Valve Annuloplasty
pp.17-23
発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013077115
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
重度の機能性僧帽弁閉鎖不全に対して外科治療を行った虚血性心筋症(ICM)26例と、拡張型心筋症(DCM)13例を対象に、僧帽弁輪形成術(MAP)+左室形成術(SVR)を行った22例(S群:ICM9例、DCM13例)とMAPのみの17例(M群:全例ICM)に分けて比較検討した。患者背景では心不全重症例、低心機能かつ左室高度拡大例がS群で有意に多く、MR gradeもS群で有意に高度であった。両群とも術後の左室駆出率(LVEF)改善は僅かで、術前後で有意差はなく、左室拡張末期径と左室拡張期末期容量係数は両群とも有意に減少し、MR gradeも両群で有意に改善した。入院死亡はS群の4例(心不全、敗血症各2例)であった。平均観察期間19ヵ月での中期成績は、再手術を要したのは両群各1例で、共に僧帽弁置換術を行った。術後遠隔期死亡をS群で5例(うち4例が心不全)、M群で1例(突然死)に認めた。遠隔期生存はS群13例(うち心不全再発で再入院5例)、M群16例であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013