発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007050563
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虚血性心筋症に対しオーバーラップ型左室形成術(OLCVR)を施行した4例(男4例、平均年齢61.3±12.5歳)を対象に術前・術後の検討を行った。その結果、平均経過観察期間は現在24±1.7ヵ月で全例生存中である。4例とも術前にはIII度であったNew York Heart Association(NYHA)心機能分類は時間経過とともに著しく改善しI度まで低下した。術後左室拡張期容量係数(LVEDVI)、LVEsVIは有意に縮小したが、その後も徐々に縮小し1年後にはLVDdで術前値と有意差を認め、縮小に伴いMRならびに左室駆出率(EF)の改善が見られた。BNPは経過中に有意差は認めなかったが、症状が著しく改善した3例では術後1ヵ月から急激に低下した。合併症を認めた1例の術後症状は著しく改善したが、16ヵ月後に心室性不整脈による意識障害と診断して除細動器を植え込んだ。症例数は少ないもののOLCVRによる心不全症状および左室機能の改善には有意差が認められ術後早期、中期成績は良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2006