発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005051674
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67歳女.検診時胸部X線像上異常陰影を主訴とした.胸部のX線検査では左肺尖部に肺外の腫瘤陰影を認め,CT検査では左第2~3肋骨部に接し胸腔内に突出する広基性の腫瘍が描出された.腫瘍はMRIのT1強調画像にて筋肉よりやや高信号,Gdにて造影され,T2強調画像にて高信号,内部に低信号域を認めた.また骨シンチ所見では左第3肋骨背側にわずかな取り込みがみられ,肋骨病変を疑った.診断および治療目的で手術を行ったところ,腫瘍は胸壁胸膜を破って胸腔内に突出しており,第1肋間筋から第2,3肋骨,第3肋間筋までの広範囲にわたって腫瘍を含めて切除した.骨から軟部組織への進展は認められたが,リンパ節,多臓器への転移は認められず,病理組織像では比較的大型のリンパ球がびまん性に増殖しており,L26陰性,CD43陽性,CD79a陽性,UCHL-1陰性,CD3陰性であった.肋骨原発のびまん性大細胞性リンパ腫と診断され,術後6ヵ月経過現在,無再発で経過良好である
©Nankodo Co., Ltd., 2004