発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012264923
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症例は52歳男性で、右腰背部痛を主訴に近医を受診し、胸部X線で異常影を指摘された。CTで右第5肋骨より背側に10×6×8.5cm大の腫瘤が形成され、辺縁部には肋骨から連続する石灰化を認め、内部にも浅い石灰化が不均一にみられた。MRIではT1強調画像で低信号、T2強調脂肪抑制画像で低~高信号を呈し、軽度造影された。骨シンチグラムでは右第5肋骨と腫瘍部に強い集積亢進を認め、悪性腫瘍の可能性などを考え開胸術を施行した。腫瘍は第5肋骨から発生しており、肋軟骨部まで十分な距離をとって切断し、第4~第5肋骨を切除した。腫瘍の割面は乳白色充実性で、部分的に嚢胞化していた。病理組織所見で、異型の乏しい紡錘形の線維芽細胞を背景として未熟な骨梁を認め、一部に骨破壊性に多核破骨細胞が浸潤していた。間質細胞に著明な異型はなく、核分裂も目立たず、線維性骨異形成症と診断した。術後腰背部痛は軽快し、経過良好である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012