発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013095082
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術前未確診腫瘤に対して術中胸腔鏡下針生検(本法)を行った78例を対象に、肺部分切除に先行して胸腔鏡下針生検を行った31例(針生検群)と始めから自動縫合器による肺部分切除を行った47例(部分切除群)について比較検討した。胸腔鏡下針生検の適応条件は、画像所見で癌の可能性が高く区域切除以上の系統的肺切除の必要性が予想される症例、腫瘍径が大きい、または深部に存在する等のために自動縫合器使用数が多くなる可能性がある症例、術中病理診断に十分な量の組織を採取できると予測された症例とした。その結果、針生検群は腫瘍径が有意に大きく、胸膜から腫瘍までの距離は深部に存在する傾向であった。根治手術までの自動縫合器使用数は有意に少なく、診断率に有意差はなかった。合併症は術中換気困難となった気道内出血1例を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2012