弁形成術の工夫と手術成績
三尖弁位感染性心内膜炎に対する自己心膜を用いた完全弁再建法
山本 直樹
1
,
藤井 太郎
,
小暮 周平
,
渡邉 文亮
,
湯淺 右人
,
徳井 俊也
,
岡田 行功
1山田赤十字病院 胸部外科
キーワード:
三尖弁
,
三尖弁閉鎖不全症
,
心エコー図
,
心室中隔欠損
,
心内膜炎-感染性
,
心膜
,
肺炎
,
肺塞栓症
,
Streptococcus Infection
,
Streptococcus oralis
,
心臓人工弁
,
三尖弁形成術
,
心膜パッチ
Keyword:
Endocarditis, Bacterial
,
Echocardiography
,
Heart Septal Defects, Ventricular
,
Heart Valve Prosthesis
,
Pericardium
,
Pulmonary Embolism
,
Pneumonia
,
Streptococcal Infections
,
Tricuspid Valve
,
Tricuspid Valve Insufficiency
,
Streptococcus oralis
pp.301-305
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012219125
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は33歳男性で、約1ヵ月前から発熱があり、近医で心雑音を指摘された。血液検査でWBC、CRP高値を認め、血液培養でStreptococcus oralisが同定された。経胸壁心エコーでは三尖弁後尖に疣贅を認め、4度の三尖弁逆流が存在した。三尖弁位感染性心内膜炎と診断し、抗生剤投与で改善したが、重症三尖弁閉鎖不全症が残存し開胸術を施行した。術中所見で三尖弁の疣贅は遊離後で認めず、中隔尖は感染により原形をとどめていなかった。三尖弁周囲の確認で約5mmのKirklin分類II型心室中隔欠損を認め、グルタールアルデヒド処理した自己心膜で閉鎖した。中隔尖の再建は、残りの心膜を弁輪に連続で縫着し、自己腱索2本を縫着・温存した。更にプレジェット付きePTFE糸を右室乳頭筋にかけ、2本の自己腱索の間に縫着し、最後にDuran flexible band 31mmを用いて弁輪形成術を行った。術後経過良好で、抗生物質投与を3ヵ月間行い、感染再燃や三尖弁逆流はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012