発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013269703
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50歳男。小学校入学前に心室中隔欠損症(VSD)と診断され、30歳頃にカテーテル検査で手術適応なしと診断されていた。今回、約2週間前から発熱が続き、血液培養でStreptococcus constellatusが検出され、心エコーで三尖弁に疣贅の付着、三尖弁閉鎖不全、膜性中隔周囲部を認め加療開始されたが、心不全徴候が出現して当院転院となった。X線で心胸郭比の拡大、両肺野のうっ血を、経食道心エコーで三尖弁前尖、後尖に疣贅の付着を認めた。三尖弁逆流は中等~高度であった。心室中隔の欠損孔は15mmで、左右短絡血流を認めた。抗生物質投与でCRP高値や肺うっ血は改善し、う歯が5本あり感染性心内膜炎の原因と考え全て抜歯した。前医から併せて計4週間の抗生物質治療後に手術施行し、三尖弁形成術およびVSD閉鎖術を行った。術後のエコー検査で三尖弁の逆流は軽度で、VSDのパッチ閉鎖部に遺残短絡はなかった。抗生物質の継続でCRPは陰性化し、術後3年の現在、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013