発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005008573
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26歳男.発熱,意識低下で脳腫瘍と診断され,cefotiam hydrochloride投与などの入院治療で炎症所見は正常化した.しかし退院後も全身倦怠感と発熱が持続し,聴診上収縮期雑音を指摘された.検査所見で白血球数,CRP,血沈の上昇はなかったが,高感度CRPは2700ng/mlであった.心エコーで僧帽弁前尖に15×5mmの疣贅を認め,III度の僧帽弁逆流があった.血液培養でMRSAが検出され,vancomycin 2g/日の点滴投与を開始した.高感度CRPはいったん低下し,血液培養も陰性化したが,その後再燃した.第58病日よりteicolplanin 400mg/日に変更し,炎症所見は殆ど低値で経過したが,投与中止後の血液培養で再度MRSAが検出された.疣贅の大きさも縮小を認めないことより,内科的治療による治癒は困難と判断して入院4ヵ月目に僧帽弁形成術を施行した.術後炎症所見は順調に低下し,26日目には心機能も良好となって退院した.退院後8ヵ月の高感度CRPは318ng/mlであった
©Nankodo Co., Ltd., 2004