発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012013967
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
68歳男。肝細胞癌にて肝拡大右葉切除術を施行したが、術後2年半の胸部CTで右上葉1ヶ所、中葉2ヶ所、下葉1ヶ所に結節影を認め、肝細胞癌肺転移を疑いTS-1投与を開始した。しかし、転移巣の増大を来たし当科紹介となり、X線で右上肺野に縦隔に接する円形陰影、右中肺野および右下肺野に結節影を認めた。CTでは右肺S2に44×36mm、S4に10×15mm、S5に7×5mm、S10に17×12mmの結節を認め、肝細胞癌右肺多発転移と考え右肺上葉切除・中葉部分切除・下葉部分切除術を施行した。切除標本所見でS2右上葉に境界明瞭で軟らかく、広範に壊死を来たした腫瘍を認め、S4、S5、S10の腫瘍はいずれも大型異型細胞が太い索状配列を示した中分化肝細胞癌肺転移と診断された。その後、左上葉に転移巣を認めたため定位放射線治療(12Gy×4回)を行い、治療後2年経過した現在、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011