発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012013962
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
67歳女。労作時の呼吸困難感を主訴とした。胸部X線で両側びまん性に浸潤影を、胸部CTでは非区域性やや末梢優位に浸潤影を認め、異型肺炎を疑い抗生物質治療を開始した。右心カテーテル検査を行ったところ肺動脈圧76/34(47)mmHg、肺動脈楔入圧12mmHg、心係数2.3l/分/m2で、肺動脈造影では肺動脈の末梢に不規則に造影されない領域を認め、肺血流シンチグラムでも同様に末梢での塞栓が疑われた。肺生検を行うこととし、全身麻酔下開胸下に右S9の肺部分切除をend-GIAで4回行った。病理組織所見で末梢の肺動脈の内腔に張り付くように異型の乏しい粘液産生腺癌と器質化した血栓を認め、これらによる肺高血圧症と診断された。術後精査で消化管などに原発巣は見つからなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011