気管・気管支形成手術の現況
気管・気管支形成 肺癌に対する気管・気管支形成術の成績
坪地 宏嘉
1
,
遠藤 俊輔
,
中野 智之
,
遠藤 哲哉
,
金井 義彦
,
手塚 康裕
,
大谷 真一
,
斉藤 紀子
,
山本 真一
,
手塚 憲志
,
塚田 博
,
佐藤 幸夫
,
長谷川 剛
,
蘇原 泰則
1自治医科大学附属さいたま医療センター 呼吸器外科
キーワード:
腺癌
,
肺腫瘍
,
扁平上皮癌
,
生存分析
,
大細胞癌
,
治療成績
,
気管気管支形成術
,
吻合部狭窄
,
縫合不全
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Lung Neoplasms
,
Survival Analysis
,
Treatment Outcome
,
Carcinoma, Large Cell
pp.934-938
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009016922
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著者らの施設での肺癌に対する気管・気管支形成手術例46例について検討した。術式は主気管支より末梢側の再建例が41例(右上葉管状切除27例、右中下葉管状切除5例、左上葉管状切除8例、左上大区域管状切除1例)、分岐部再建を伴う中枢気道再建例が5例(右管状肺全摘2例、one-stoma型分岐部再建を併施した右上葉管状切除術3例)であった。その結果、吻合部合併症は4例(8.7%)に発症し、内訳は縫合不全および吻合部狭窄が各2例であった。うち再手術を要した重篤なものは縫合不全から気管支胸腔瘻を来した1例(2.2%)のみで、手術関連死および在院死はなかった。全体の5年および10年生存率は54%、48%で、N因子別では5年生存率はN0例が66%、N1例が68%、N2例が33%と、有意差のないもののN2例で予後不良な傾向を示した。T因子別では予後に有意差はみられなかった。組織別では扁平上皮癌の5年生存率55%に対し、腺癌では最長生存は45ヵ月であり、長期生存例はなかった。尚、気管分岐部切除を行った5例はいずれも無再発生存中である。
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