発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011288494
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67歳女性。前医で大腸内視鏡検査における前処理中に苦胸が生じ、循環器科の経胸壁心エコー(TTE)で右房内に腫瘍が認められ、手術目的にて著者らの施設へ受診となった。所見では前医のTTEと同じく、右房内に腫瘤影が認められ、右房腫瘍が疑われた。手術が施行されるも、右房内に腫瘍性病変はみられず、上大静脈流入部右房上縁に太く大きなブリッジ状の分界稜(CT)が認められた。だが、心機能に影響を及ぼすものではないと判断し、切除せずに温存することとなった。以後、経過は良好で、患者は術後12日目に退院となった。尚、今回の誤所見はCTの筋束の一部が上大静脈開口部を橋渡しするようになっており、CTから連続したなだらかな隆起となっていなかったため、茎を伴う粘液腫との鑑別が困難であったことと推察された。
©Nankodo Co., Ltd., 2011