発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016030714
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症例1:50歳男。咳嗽、微熱、倦怠感を主訴とした。胸部X線、CTで右上葉に5.0×5.4cmの塊状陰影を認め、血液検査で炎症反応の上昇を認めた。気管支鏡下肺生検で異型細胞を認め、FDG-PETで高集積を認めたため、肺癌を疑い開胸術を行った。病変は胸壁、縦隔と癒着し、第2~4肋骨を含む胸壁合併切除と右上葉切除、縦隔リンパ節郭清術を行った。症例2:77歳男。胃癌、食道癌術後の胃管癌に対する術前X線で右肺野に空洞陰影を認めた。気管支鏡下生検や細菌・抗酸菌検査等では診断が得られず、FDG-PETで高集積を認めたため肺癌を疑い、胃管癌の手術の際に右上葉も切除した。症例3:77歳男。咳嗽を主訴とした。血液検査で炎症反応の上昇を認め、CTで右下葉に腫瘤陰影を認めた。気管支鏡検査で診断が得られず、FDG-PETで高集積を認めたため、肺癌を疑い開胸術を行った。腫瘍は中枢に局在し、部分切除は困難で右下葉を切除した。3例とも術後の病理検査で肺放線菌症と診断された。
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