気胸・嚢胞性肺疾患の手術
気腫性嚢胞に対する手術の工夫 気腫性肺嚢胞に対する焼灼術の治療効果
片岡 大輔
1
,
富田 由里
,
深山 素子
,
門倉 光隆
,
矢持 淑子
,
太田 秀一
,
九島 巳樹
1昭和大学 呼吸器外科
キーワード:
胸腔鏡法
,
電気凝固
,
治療成績
,
生理食塩水
,
肺ブラ
Keyword:
Electrocoagulation
,
Thoracoscopy
,
Treatment Outcome
pp.323-329
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011160943
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特発性自然気胸に対し、Salient Monopolar Sealer(SMS)を用いて焼灼術を施行した76例(男72例・女4例・平均30.5歳)の治療成績を検討した。焼灼手技の程度をモニター上の肉眼所見に基づいて評価したところ、焼灼不十分1例(スコア1)、胸膜が白色調になるまで焼灼18例(スコア2)、白色調になった後も引き続き焼灼57例(スコア3)で、ほとんど焼灼なし(スコア0)と過度の焼灼(スコア4)はなかった。平均スコアは2.74であった。また、焼灼効果を病理組織所見の胸膜肥厚・炎症細胞浸潤の程度より評価(病理スコア)したところ、効果なし2例(スコア0)、効果不十分11例(スコア1)、広範囲に効果あり53例(スコア2)、十分な効果9例(スコア3)で、過度の焼灼による有害事象(スコア4)はなく、平均スコアは1.92であった。経過観察期間7ヵ月~56ヵ月で、9例に再発(術後平均4.6ヵ月)を認めたが、SMS使用前の再発例が1年以内に集中していたことと比べ有意差はなく、焼灼スコアや病理スコアとの関連性はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011