気胸・嚢胞性肺疾患の手術
難治性続発性気胸・高齢者気胸に対する手術の工夫 高度気腫性嚢胞症例の気胸に対する嚢胞内フィブリン糊直接注入療法の有用性
田中 明彦
1
,
三品 泰二郎
,
泉 寛志
,
本村 文宏
,
秋江 研志
,
小倉 滋明
,
山本 宏司
1国立病院機構北海道医療センター 呼吸器内科
キーワード:
気胸
,
結紮
,
Fibrin Tissue Adhesive
,
病巣内投与
,
治療成績
,
肺ブラ
Keyword:
Ligation
,
Pneumothorax
,
Injections, Intralesional
,
Fibrin Tissue Adhesive
,
Treatment Outcome
pp.286-290
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011160935
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高度気腫性嚢胞症9例(男8例・女1例・平均67.3歳)の気胸に対し、嚢胞の破裂孔(エアリーク部位)から嚢胞内に直接フィブリン糊を注入し、その後に破裂孔の結紮閉鎖を行った。気胸の発症から手術までの期間は平均14.8日、手術時間は121分、出血量は38mlであった。術後の気胸再発は1例に認めた。フィブリン糊の嚢胞内注入療法は、それのみでエアリークを停止させることができ、かつフィブリン糊を嚢胞内に充填させることで嚢胞内の空気圧を減少させて嚢胞の再破裂を予防できると考えられた。また、本手技は高度な気腫性肺に対しても応用可能であり、手術治療の適応を広げることが可能であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011