気胸・嚢胞性肺疾患の手術
気腫性嚢胞に対する手術の工夫 全身麻酔困難な嚢胞性肺疾患に対する局所麻酔下嚢胞内ドレナージ手術
渡辺 健寛
1
,
本野 望
,
広野 達彦
1国立病院機構西新潟中央病院 呼吸器外科
キーワード:
ドレナージ
,
Mepivacaine
,
局所麻酔
,
治療成績
,
肺嚢胞
,
胸部CT
,
肺ブラ
Keyword:
Anesthesia, Conduction
,
Drainage
,
Mepivacaine
,
Treatment Outcome
pp.317-322
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011160942
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
全身麻酔困難な嚢胞性肺疾患に対し局所麻酔下嚢胞内ドレナージ手術を施行した9例(男・平均63歳)の治療成績を検討した。疾患は巨大気腫性肺嚢胞3例、感染性肺嚢胞6例で、ドレナージ期間は7~684日であった。巨大気腫性肺嚢胞例はいずれも慢性閉塞性肺疾患の加療中に呼吸不全となり、内科的治療に反応せず、救命のため手術施行となった。全例嚢胞内にドレーンを留置できたが、気胸を併発して胸腔ドレナージも要した。全例エアリークを認めたが、嚢胞は縮小し呼吸状態は改善した。2例は全身麻酔下の嚢胞切除を、他の1例はフィブリン糊の嚢胞内注入を行い、呼吸状態は改善し軽快退院した。感染性肺嚢胞例は全例発熱および胸痛で発症し、内科的治療で改善しなかった。嚢胞内ドレナージ後、嚢胞の縮小と排膿を期待して持続吸引を行った。エアリークは1例のみに認めた。比較的すみやかに嚢胞は縮小し、炎症所見も改善して1例を除きドレーンを抜去できた。気胸を含む周術期合併症はなく、全例軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011