発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015000785
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36歳男。前医で左気胸に対し腹腔鏡下に左肺尖部ブラ切除術を受けたが、術後2週間で再発を来たした。CTで肺尖部を中心に胸筋膜下に不均一な多発肺嚢胞を認め、肺内にも嚢胞性変化を認めた。胸腔鏡下手術を施行し、肺全体にわたり臓側胸膜にびまん性に多発する薄壁嚢胞を認め、下葉(S8)の3mm大で扁平な薄壁嚢胞よりエアリークを認めたため気胸の原因と判断して縫縮した。その他の多発する小嚢胞は焼灼した。術後2ヵ月に右気胸を発症し、胸腔鏡下に肺尖部の肥厚した大きな多発肺嚢胞を自動縫合器で広範に切除した。肺全体の嚢胞は焼灼した。しかし、1ヵ月後に再発、2ヵ月後に再再発を来たし、いずれも胸腔鏡下手術を施行した。それぞれ肺尖部の切除ライン近傍より小さなエアリークを認め、Z縫合にて縫縮した。以後、再発は認めていない。末梢血中の白血球からDNAを抽出し、FLCN遺伝子のPCRシークエンスを施行した血痂、Exon13にc.1533_1536delGATG heteroを認め、Birt-Hogg-Dube症候群と診断した。
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