気胸・嚢胞性肺疾患の手術
難治性続発性気胸・高齢者気胸に対する手術の工夫 難治性気胸に対する胸腔鏡下手術の工夫
安藤 陽夫
1
,
重松 久之
,
東 良平
1国立病院岡山医療センター 呼吸器外科
キーワード:
Polyglycolic Acid
,
気胸
,
胸腔鏡法
,
硬膜外麻酔
,
肺気腫
,
肺線維症
,
Fibrin Tissue Adhesive
,
治療成績
Keyword:
Anesthesia, Epidural
,
Pneumothorax
,
Polyglycolic Acid
,
Pulmonary Emphysema
,
Pulmonary Fibrosis
,
Thoracoscopy
,
Fibrin Tissue Adhesive
,
Treatment Outcome
pp.305-310
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011160940
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
難治性気胸に対し硬膜外麻酔下または局所麻酔下に胸腔鏡下手術を施行した26例(男23例・女3例・平均65歳)の治療成績を報告した。全例肺疾患の合併を認め、肺気腫14例、肺線維症8例、塵肺4例、閉塞性細気管支炎(BO)2例、肺移植後1例、喘息と肺炎1例であった。18例には術前に胸膜癒着術が行われていた。胸腔鏡下手術はパンク修理に徹し、主にフィブリン糊とポリグリコール酸シートによる被覆を行った。22例は1回の手術で気胸は治癒し、他の4例中3例は再度の同手術で治癒した。この3例中2例は、1回目の手術時に処置した部位とは別の部位にエアリーク部位を認め、同部位に手術を施行した。最終的に治癒しなかった1例は骨髄移植後BOで、術後数時間でエアーリークが再発し、全身麻酔下に両側開胸で再手術を施行したもののエアーリークが続いた。全例で胸腔鏡下手術に伴う合併症は認めず、死亡もなかったが、術後経過観察において治癒25例中4例に気胸再発を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011