気胸・嚢胞性肺疾患の手術
さまざまな気胸に対する手術とその工夫 50歳以上の中高齢者気胸に対する胸腔鏡補助下手術例の検討
小山 邦広
1
,
大貫 恭正
,
神崎 正人
,
井坂 珠子
,
吉川 拓磨
,
清水 俊榮
,
坂本 圭
,
小峰 啓史
,
村杉 雅秀
1東京女子医科大学 第一外科
キーワード:
気胸
,
胸腔鏡法
,
胸部X線診断
,
再発
,
術後合併症
,
術前診断
,
肺炎
,
肺切除
,
治療成績
,
肺ブラ
Keyword:
Pneumothorax
,
Postoperative Complications
,
Pneumonectomy
,
Pneumonia
,
Recurrence
,
Radiography, Thoracic
,
Thoracoscopy
,
Treatment Outcome
pp.275-279
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011160931
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胸腔鏡補助下手術を施行した中高齢気胸患者168例178回(男160例・女8例・50~85歳)について検討した。術前胸腔造影は52例に施行し、47例で気漏部位が明確となった。手術所見で単純性肺嚢胞のみ認めたのが62例、気腫性変化が強く多発性肺嚢胞を認めたのが116例、強固な胸膜癒着が124例であった。手術方法は肺部分切除122例、部分切除+縫合52例、気漏部縫合閉鎖のみ4例で、手術時間は平均129分、出血量42ml、術後ドレーン留置期間4.5日であった。術後持続性残存気漏は13例に認め、8例は胸膜癒着術で改善し、5例は肺瘻閉鎖術を要した。早期合併症は肺炎7例、呼吸不全増悪3例、脳梗塞1例で、術中心筋梗塞発症による在院死亡を1例認めた。遠隔成績では気胸の同側再発を14例に認め、再手術を3例、入院ドレナージを4例に施行し、7例は経過観察のみで改善した。遠隔期死亡は17例で、心臓死2例、癌死12例、肺病変悪化に伴う呼吸不全3例であった。
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