再発・二次肺癌の外科療法
安全な手術をめざした工夫 肺癌術後再発に対する三次元構造を把握した胸腔鏡下亜区域・区域切除術
井坂 珠子
1
,
神崎 正人
,
吉川 拓磨
,
和知 尚子
,
前田 英之
,
坂本 圭
,
清水 俊榮
,
小山 邦広
,
村杉 雅秀
,
大貫 恭正
1東京女子医科大学 第一外科
キーワード:
胸腔鏡法
,
再手術
,
腫瘍再発
,
腺癌
,
X線CT
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
扁平上皮癌
,
コンピュータシミュレーション
,
三次元イメージング
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Computer Simulation
,
Lung Neoplasms
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Pneumonectomy
,
Reoperation
,
Thoracoscopy
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Imaging, Three-Dimensional
pp.973-978
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011042626
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著者らは肺切除前にフリーソフトであるCTTRYを用いて肺の三次元模型をパーソナルコンピュータ上で作製し、切除範囲のシミュレーションを行った後、手術に臨んでいる。今回、直近の2年間において、術後の同側再発、同側二次肺癌がみられた5症例に対し、術前に患側肺の三次元構築を行って、区域切除術、多区域切除術、あるいは多亜区域切除術を施行した。その結果、1)強固な癒着が認められた症例も血管損傷が回避でき、円滑な手術が可能であった。2)術前に作製した三次元像を、切除を行っていない症例と上葉切除後および下葉切除術後の症例で比較した結果、切除に伴って、とりわけ肺動静脈では屈曲、回転等走行の変位がみられた。以上より、再発肺癌に対する積極的縮小手術にはCTTRYによる術式の検討が有用であると考えられた。
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