発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004199700
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亜区域気管支・肺血管を剥離露出せず,周囲肺実質とともにステープラーで処理する胸腔鏡下simultaneously stapled subsegmentectomyを考案し,その安全性,有用性を検討した.1996年4月から2003年7月までに転移性肺腫瘍手術および肺癌消極的縮小手術として本法を施行した10例を対象とし,手術成績および予後を検討した.本手技は肺門剥離を行わず胸腔鏡下で施行可能であり,部分切除に比し十分なマージンが取れ,臓側胸膜より比較的深部に位置する腫瘍にも対応できる利点がある.手術時間201±45分,出血量76±99ml,胸腔ドレーン留置期間3±1日で,周術期に重篤な合併症や死亡例はなかった.また,肺癌例2例に遠隔転移がみられたが,他の症例に局所再発を認めていない.標準手術が不可能な耐術能低下肺癌での消極的縮小手術や転移性肺腫瘍手術での選択肢の一つとして有用であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004