発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010332099
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67歳女性。患者は2002年に健診での胸部X線にて異常陰影を指摘されたが、近医の経気管支肺生検では悪性所見は認められなかった。そのため経過観察となっていたが、2009年5月の胸部CTで両肺野の腫瘤の増加・増大がみられ、同年8月に開胸肺生検目的で、著者らの施設へ紹介となった。胸部X線では両肺に境界が比較的明瞭な多発性結節影がみられ、胸部CTでも同じく両肺に径5~10mmの結節状陰影20個と気腫性嚢胞が認められた。しかし、PET-CTでは両肺腫瘤への集積はほとんどなかった。以後、確定診断のため肺生検術を行った結果、病理組織学的に多発肺アミロイドーシスであったが、上部消化管内視鏡検査ではアミロイドは検出されず、M蛋白や尿Bence-Jones蛋白、また染色体異常もみられなかった。目下、術後から4ヵ月経過しているが、呼吸器症状は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2010