発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006128220
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鈍的外傷による右房破裂の3例を経験した.症例1:34歳男.700kgの鉄板の下敷きになって意識不明のまま救急搬送され,心エコー及びCTにて外傷性心タンポナーデと診断し,緊急手術となった.体外循環待期下に開胸し凝血塊を除去したところ既に止血しており,体外循環は不使用のまま心嚢内を洗浄して手術を終えた.経過は良好で,術後8日に軽快退院した.症例2:63歳女.バイク運転中の乗用車との衝突事故により意識消失した状態で救急搬送され,心エコーとCTにて心タンポナーデと診断し緊急手術を行った.右房から下大静脈の破裂部を縫合止血して洗浄を行い,術後8日に整形外科に転科となった.症例3:61歳男.自動車による正面衝突事故により意識消失し,心エコー及びCTにて心タンポナーデと診断し,心嚢穿刺にて改善せず緊急手術を行った.右房前面に血腫と出血を認め,圧迫止血に成功した.術後に前縦隔洞炎を生じたが,大網充填術を施行し,術後165日に軽快退院した.症例3では大腿部送脱血による人工心肺による体外循環を行ったことが有用であった
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