発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007114052
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当科ではpatient-prosthesis mismatch(PPM)の予防のため独自の人工弁選択基準を設けており、その妥当性を検討する目的で当科開設以来の大動脈弁狭窄に対する大動脈弁置換術102例の術後心機能を検討した。患者の平均年齢は69.6±9.7歳であった。使用した人工弁のサイズで19mm(S群34例)、21mm(M群51例)、23mm以上(L群17例)に分けた。より高齢者の多いS群では生体弁を多く使用し、若年者の多いL群では機械弁を多く使用した。選択した人工弁が挿入困難な場合に弁輪上拡大を追加し、S群38.2%、M群17.6%、L群5.9%であった。心エコー評価では左室拡張末期径および左室心筋重量係数は各群とも術後縮小し、左室内径短縮率は半年後には著明に改善した。予測有効弁口面積指数は1.0cm2/m2以上と良好な血行動態が得られた。手術死亡・在院死亡やPPMを来たした症例はなく、当科の人工弁選択基準の妥当性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2007