発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009150025
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44歳女。心筋梗塞の経過観察中、胸部CT上縦隔リンパ節腫大を指摘された。同時に血清CEAの高値も認めた。胸部CT所見では、上縦隔上大静脈背側、気管右側に径4cmの腫瘤を認め、縦隔リンパ節腫大と考えた。PETでは指摘されている縦隔リンパ節のみ陽性であった。原発不明縦隔リンパ節癌の疑いで、確定診断のため手術を施行した。病理組織所見により、低分化腺癌と診断した。追加治療として縦隔への放射線治療を施行した。血清CEAは術後4ヵ月で低下した。術後7ヵ月目に右鎖骨上リンパ節の腫大を認め、転移と考えた。右頸部転移リンパ節による頸部痛軽減の目的で、放射線治療、さらにcarboplatin(CBDCA)+CPT-11療法を4コース終了し、有効(PR)の結果を得た。現在、初回手術後約29ヵ月目であるが、新たな病巣は認め、血清CEAも正常化し、PS0で外来経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009