発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009234158
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症例1(88歳女性)。呼吸苦を主訴に、胸部X線にて大量の左胸水を認め、著者らの心臓血管外科へ紹介となった。3D-CTでは遠位弓部~胸部下行大動脈にいたる広範囲胸部大動脈瘤が認められ、左胸腔穿刺では血性胸水が認められた。そして、下行大動脈最大径部位での破裂が疑われ、手術の方針となった。症例2(68歳女性)。Stanford A型急性大動脈解離に対する上行置換後、吻合部リークによる残存解離腔の開大を認め、経過観察中であった。今回、左大腿部腫脹にて入院となり、残存解離腔におけるDICを疑われ、手術の方針となった。MRAでは遠位弓部~胸部下行大動脈にいたる広範囲解離性大動脈瘤が認められた。両症例とも広範囲胸部下行動脈瘤に対し正中切開にてLETを用いて大動脈瘤内をpull-throughし、弓部~下行大動脈置換を一期的に施行した。その結果、いずれも術後経過は良好で、術後14日目に軽快退院となった。
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