発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013004074
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は82歳男性で、前胸部違和感を主訴とした。CTで胸部大動脈遠位弓部に最大径70mmの嚢状瘤を認め、大動脈径は上行45mm、下行70mmと拡大していた。左右鎖骨下動脈は瘤より起始し、右起始部は瘤化していた(Komerell憩室)。切迫破裂の診断で手術を施行し、口径28mm、5cm長のHemashield Platinumを末梢側内腔にelephant trunkとして内挿した。更に口径26mm、4分枝付き人工血管Triplexを用いて末梢側吻合を行い、左右鎖骨下動脈再建は、側枝人工血管と脳灌流用人工血管を吻合した。術後35日に二期的手術を行い、左右大腿動脈よりアプローチし、造影によりelephant trunkと瘤との位置関係を確認後、TAG 43mm×20cmを2本留置した。次いで両側上腕動脈より鎖骨下動脈のコイル塞栓術を行った。造影確認でIA型のエンドリークを認めたため中枢側にTAG 47mm×10cmを追加した。術後経過良好で、外来の造影CTではII型エンドリークを軽度認めるのみであった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012