発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006210153
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63歳女.14年前に右冠状動脈#4後下行枝:90%,#4後壁側枝(PL):75%,左冠状動脈#12:75%狭窄を指摘され,内服加療を行っていた.不安定狭心症で入院した際,右冠状動脈#1,#2の90%狭窄に対して経皮的冠状動脈形成術を施行した後,薬剤溶出ステント(Cypher)を各々に留置した.また,二期的に左冠状動脈#6の90%,#7の75%狭窄に対しても同様にCypherステント留置を行った.術後2ヵ月に安静時胸痛が出現し,左冠状動脈主幹部の#5から#6に至る動脈解離を伴った75~90%の再狭窄病変と,右冠状動脈#1,#3の75%狭窄を認めた.心拍動下冠状動脈バイパス術を施行し,左内胸動脈(LITA)および左大腿部の大伏在静脈(SVG)を採取した後,吸引型スタビライザーで第1対角枝を固定し,LITAを側々吻合した.次いでLADを固定し,LITAを端側吻合した.更に心尖部吸引装置を用いて心尖部を挙上し,#4PLを固定してSVGを端側吻合した.術後経過は良好で,第14病日に退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2006