腫瘍内科診療データファイル
疾患からみる各種癌の診断・治療 原発不明癌
安藤 正志
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1国立がんセンター中央病院 乳腺・腫瘍内科
キーワード:
リンパ行性転移
,
腺癌
,
扁平上皮癌
,
腫瘍-原発不明
,
神経内分泌癌
,
嚢胞腺癌-漿液性
,
未分化癌
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Carcinoma
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Lymphatic Metastasis
,
Neoplasms, Unknown Primary
,
Carcinoma, Neuroendocrine
,
Cystadenocarcinoma, Serous
pp.1356-1361
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008061433
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原発不明癌(cancer of unknown primary)は、臨床的に注意深い全身検索や経過観察を行っても原発巣が同定できない転移性の腫瘍を示し、さまざまな腫瘍が混在した不均一な疾患グループであり、全悪性固形腫瘍の3~5%を占める。病理組織は60%を腺癌が占める。特定の治療に反応し、長期生存が認められるサブグループが存在するため、サブグループの適切な診断が重要である。特定の治療を有しないサブグループに対して化学療法が中心に行われているが、標準的な化学療法レジメンは存在せず、プラチナ製剤とタキサン系薬剤の併用療法が汎用されており、奏効率20~30%、生存期間中央値は7~11ヵ月である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007