発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006313879
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71歳女.患者は検診で右上縦隔の拡大を指摘された.CTでは頸部に甲状腺癌再発を疑わせる所見はなかったが,胸部では気管右前方,上大静脈後方に腫瘤が認められた.リンパ系の腫瘍を疑い,胸腔鏡下針生検を施行したところ,リンパ節内に核形不整の異型細胞が乳頭状から腺管構造を示して増殖しており,異型細胞は重畳が認められた.更に免疫染色では異型細胞はthyroid transcription factor-1とthyroglobulinが陽性であった.甲状腺乳頭癌の縦隔リンパ節転移と診断し,縦隔リンパ節摘出+残存甲状腺摘出を施行したところ,摘出標本により15年前に摘出した甲状腺癌が転移したものと確定診断された.術後,経過は順調で,術後から7日目には退院となった
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