臨床経験
縦隔リンパ節転移に対し摘出術を行った原発巣不明中皮腫
山木 実
1
,
則行 敏生
,
竹井 大祐
,
竹元 雄紀
,
齊藤 竜助
,
米原 修治
1JA広島厚生連尾道総合病院
キーワード:
Cisplatin
,
胸膜腫瘍
,
細胞診
,
縦隔腫瘍
,
リンパ行性転移
,
生検
,
中皮腫
,
免疫組織化学
,
リンパ節郭清
,
アジュバント化学療法
,
Pemetrexed
,
超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引法
,
胸部CT
Keyword:
Pemetrexed
,
Biopsy
,
Cytodiagnosis
,
Cisplatin
,
Immunohistochemistry
,
Mesothelioma
,
Mediastinal Neoplasms
,
Lymph Node Excision
,
Lymphatic Metastasis
,
Pleural Neoplasms
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Endoscopic Ultrasound-Guided Fine Needle Aspiration
pp.941-943
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016019423
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63歳男。主訴は胸部CTでの異常陰影であった。3年前に直腸癌根治術と術後補助療法の既往があり、経過観察中であった。胸部CTでは気管分岐部に17×12mmの軟部陰影を認め、8ヵ月後25×18mmに増大した。直腸癌のリンパ節転移を疑い、外科的生検を実施した。迅速病理検査では中皮腫のリンパ節転移の疑いであったが、胸腔内に中皮腫病変は認めずリンパ節近傍の壁側胸膜および軽度肥厚を認める横隔膜近傍の壁側胸膜を切除した。病理検査所見は上皮型中皮腫のリンパ節転移で、壁側胸膜には腫瘍を認めなかった。術後1年目にCTで食道胃接合部近傍に25mm大の扁平な軟部陰影を認めた。経食道的超音波内視鏡下刺吸引細胞診で中皮腫リンパ節転移と診断し、右小開胸併用胸腔鏡補助下に食道接合部の病変を摘出した。再手術8ヵ月後に右上縦隔リンパ節および気管分岐下リンパ節の腫大を認めた。右上縦隔リンパ節郭清・右頸部リンパ節郭清術を施行し、病理検査で両部位への上皮型中皮腫転移を確認した。術後化学療法としてシスプラチン+ペメトレキセド療法を4コース施行し、再々手術後6ヵ月で無再発生存中である。
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