発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009052483
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69歳女。呼吸困難を主訴とした。単純X線で右下肺野に円形の異常陰影を認め、精査を行ったが確定診断がつかなかった。3ヵ月後、陰影に変化はなく、肺癌が否定できないため胸部外科へ紹介となった。CTで右下葉(S8)胸膜直下に径8mm、境界明瞭、内部均一な結節影を認めた。結節影に対し擦過、洗浄細胞診、経気管支肺生検を行ったが、確定診断は得られなかった。手術を施行し、胸腔鏡による視診では腫瘤を同定できず、鉗子による触診で腫瘤を同定し、肺部分の切除を行った。病理組織学的所見で、腫瘍本体は線維芽細胞の腫瘍性増殖と膠原線維が主体で、腫瘍全体に均一に分布していた。異型性のない多列線毛上皮、気管支腺、平滑筋、脂肪細胞が腫瘍全周を覆い、一部では腫瘍内部に巻き込まれるように存在していた。悪性像は認めなかった。よって、末梢発生の非軟骨性過誤腫と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008