発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009042224
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生後32日女。在胎中より胸水を指摘されており、出生時Apgarスコア1/7で、挿管後NICU入室となった。胸部X線で右胸水を認めたが、ドレナージで状態は回復し、気管内チューブも抜管できた。胸水は淡黄色で、蛋白質は血清値の1/2以上、細胞診では90%以上のリンパ球を含み、先天性乳び胸と診断された。MCTミルクによる治療が開始され、いったん乳びは減少したが、生後28日頃より再度増加し、胸腔鏡下手術を施行した。貯留していた乳びを吸引し、胸腔内に胸管、リンパ管、乳びの流出などは認めず、縦隔面にフィブリン糊3ccを重層法で散布し、手術終了とした。術後一般用乳児ミルクに変更しても乳びの貯留はなく、7日目に胸腔ドレーンを抜去し、54日目に退院した。その後も再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008