気管・気管支形成手術の現況
気管・気管支形成 肺癌に対する気管・気管支形成術の検討
羽田 裕司
1
,
棚橋 雅幸
,
森山 悟
,
鈴木 恵理子
,
吉井 直子
,
丹羽 宏
1聖隷福祉事業団総合病院聖隷三方原病院 呼吸器センター
キーワード:
腺癌
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
扁平上皮癌
,
気管気管支形成術
,
吻合部狭窄
,
縫合不全
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Lung Neoplasms
,
Pneumonectomy
pp.939-944
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009016923
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著者らが経験した肺癌に対する気管・気管支形成術119例について検討した。1)肺切除範囲は気管分岐部切除再建5例、管状および楔状肺全摘14例、管状および楔状肺葉切除(SL)95例、管状および楔状肺区域切除3例、気管管状切除1例、気管支管状切除1例であった。2)術後の吻合部合併症は11例(9.2%)に認められ、うち縫合不全は6例、吻合部狭窄は5例であった。術死は4例(3.4%)、院内死は6例(5.0%)で認めた。3)術前治療施行群と非施行群を比較すると、術前治療施行群では合併症発症率が高い傾向にあり、院内死率は有意に高率であった。全体の5年生存率は47.3%、中間生存期間(MST)は49.3ヵ月であった。4)SL例と単純肺葉切除例1014例を比較すると、術後合併症率、術死率はSL例で有意に高率であったが、院内死率は有意差がなかった。5)SL例と肺全摘例63例の比較では、合併症発生率、術死率は同等であったが、院内死率はSL例で有意に低率であった。また、SL例の5年生存率は肺全摘例と同等以上で、特にI期では有意に予後良好であった。
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