気管・気管支形成手術の現況
気管・気管支形成 肺癌手術における気管支形成術
吉谷 克雄
1
,
本野 望
,
大和 靖
,
小池 輝明
1新潟県立がんセンター 新潟病院呼吸器外科
キーワード:
リンパ行性転移
,
腺癌
,
肺腫瘍
,
扁平上皮癌
,
生存分析
,
治療成績
,
気管気管支形成術
,
管状肺摘除
,
手術死亡率
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Lung Neoplasms
,
Lymphatic Metastasis
,
Survival Analysis
,
Treatment Outcome
pp.927-931
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009016921
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肺癌手術のうち気管支形成術を行った139例について検討した。年齢は20~78歳(平均62.5歳)、男性122例、女性17例であった。術式は、管状肺葉切除術119例、楔状肺葉切除術10例、管状区域切除術5例、楔状区域切除術2例、肺切除を伴わない気管支管状切除術2例、気管支楔状切除術1例であった。術式の適応理由は90%が腫瘍の浸潤によるものであったが、リンパ節転移による14例中9例が腺癌であった。重篤な合併症として気管支・肺動脈瘻2.2%、縫合不全2.2%、吻合部狭窄1.4%に認められ、手術死亡率は3.6%であった。術後5年生存率は全体で59.0%、病理病期別ではI期が70.7%、II期が57.6%、III期が31.2%であった。組織別では、扁平上皮癌の術後5年生存率は63.2%と良好であるのに対し、腺癌は26.3%と予後不良であった。これは扁平上皮癌には肺門早期癌が多く含めていたのに対し、腺癌では転移リンパ節により気管支形成となった進行例が多いことによるものと考えられた。
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