気管・気管支形成手術の現況
気管・気管支形成 気管支形成術施行例の臨床的検討
内海 朝喜
1
,
井上 匡美
,
門田 嘉久
,
重村 周文
,
澤端 章好
,
南 正人
,
太田 三徳
,
奥村 明之進
1大阪大学 呼吸器外科
キーワード:
腺癌
,
肺炎
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
扁平上皮癌
,
生存分析
,
後向き研究
,
大細胞癌
,
気管気管支形成術
,
吻合部狭窄
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Lung Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Pneumonia
,
Retrospective Studies
,
Survival Analysis
,
Carcinoma, Large Cell
pp.945-949
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009016924
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著者らによる肺癌に対する気管支形成術施行例60例について検討した。1)術式は肺実質切除を伴ったものが59例、伴わない気管管状切除・端々吻合が1例であった。2)術後30日以内の死亡は認めなかったが、在院死を1例(1.7%)に認められた。また、術後合併症は20例(33.3%)でみられ、うち気管支吻合部の合併症は4例(吻合部瘻2例、吻合部狭窄2例)であり、いずれも術前治療を行った症例であった。3)全体の5年生存率は51.0%で、病期別ではI期79.1%、II期59.9%、III期21.8%、IV期0%と、I、II期はIII、IV期と比べ有意に予後良好であった。4)N因子別ではpN0が67.9%、pN1が60.0%、pN2が16.9%で、pN0とpN1はpN2に比べ有意に予後良好であった。5)非完全切除2例はそれぞれ14ヵ月、17ヵ月で原病死しており、完全切除の5年生存率53.0%と有意差が認められた。尚、組織型、術前治療の有無による分類で生存率に有意差はみられなかった。
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