発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008366086
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32歳男。10歳時に筋緊張性ジストロフィーと診断されていた。心室頻拍にて入院中、精査胸部CTで縦隔腫瘍を指摘され、手術目的で入院となった。検査所見では拘束性換気障害を認めた。経胸骨による胸腺胸腺腫摘出術を予定し、術後急性期呼吸不全予防策として、硬膜外麻酔による十分な鎮痛、鼻マスクによる非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)の使用、胸骨逆L字切開での縦隔アプローチを計画した。術中組織迅速診断で胸腺腫と診断されたため胸腺胸腺腫摘出術を施行し、抜管直後より鼻マスクによるNPPVを使用し経過観察した。術直後は高二酸化炭素血症とアシドーシスを認めたが徐々に改善した。1病日に鼻マスク装着に対して苦痛を訴えたためNPPVをはずしたが、二酸化炭素蓄積よるアシドーシスと呼吸苦を認めたためNPPVを再開した。3病日は夜間のみNPPVを装着した。4病日にNPPVを離脱し、14病日に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008