発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008300301
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11年間で7回の心大血管手術を施行したMarfan症候群の女を報告した。22歳時よりDeBakey IIIb型大動脈解離(DAA)の診断で保存療法を行っていたが24歳時に解離部拡大のため下行置換術を施行した。30歳時には僧帽弁逆流III度と心房細動による心不全のため僧帽弁置換術(MVR)を施行し、31歳時には残存解離拡大による腹部大動脈瘤に対しストレート人工血管置換術を施行した。34歳時にはDAA I型に対するBentall変法および上行弓部置換術を施行し、8ヵ月後には僧帽弁機能不全および三尖弁閉鎖不全による心不全に対する再MVRと三尖弁輪縫縮術を施行した。35歳時に人工弁周囲逆流に対し閉鎖術を施行し、半年後には胸腹部大動脈瘤破裂に対し人工血管置換術を施行した。Marfan症候群は複数回の手術を余儀なく必要とされることがあるため、綿密な治療計画と厳重な経過観察が必要であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008